円安に歯止めがかからない。1ドル=130円を切っても日銀は政策決定会合で労的緩和措置の継続を決定した。黒田総裁は未だに「2%のインフレを実現する」という姿勢を崩していないが、この金融政策の誤りは着実に露呈しつつある。
アメリカの連邦準備志度理事会のパウエル議長は2022年中に2回利上げする旨を公言しているし、EUを始めとするヨーロッパ諸国も利上げの構えを見せている。その中で日本だけが梨利上げせず量的緩和を続けているのは、どうにも違和感が拭えない。
仮に金利を1%上げると、1,250兆円にも上る発行済国債の利払いが12.5兆円増えると試算されているが、が、これは新型コロナ対策で全国民に一律10万円を給付した際に掛った費用と同程度となるらしい。
ど加えて、円安はバブル前のように輸出型産業にプラスに働かない。バブル崩壊後の「失われた30年」の間に、輸出型産業に属する企業の多くが生産拠点を海外に移転してしまい、今や日本国内は「空洞化」が進んでいる。海外から部品を輸入しないと完成品を輸出できないと言う脆弱な構造になっている。こういう楮のまま円安が進むと、部品調達価格の上昇を招き、結果的に輸出型産業の首を絞めることになるのだ。この意味で、戦後日本が経済発展の基本戦略としてきた「加工貿易立国」モデルは既に実態を反映しない物となっており、この期に及んでも日銀が量的緩和政策を改めないのは、アベノミックスの失敗を糊塗する目的以外に考えにくい状況になっている。
それでは、機能しなくなった「加工貿易立国」モデルに取って替わる成長モデルは何か。その一つの答えは「価値創造型企業誘致立国」であろう。それも日本が世界に誇るその地理的特性を土壌とするイノベーションを促進し、その成果を世界に発信するのだ。
こういった価値創造型企業を世界中から呼び込むために、入管法などの日本人労働者保護を目的とする規制を撤廃し、法人税を始めとする税率を下げる。こうした施策を講じることで、革新的な発想を持ち進取の気性に溢れた外国人「を呼び込むのだ。
但し日本は、英語を公用語化したシンガポールや、もともとフランス語・ドイツ語・イタリア語を公用語に含むスイスとは違い、世界中から投資を呼び込むには言語面で決定的に劣る。ではどうすればその欠点を克服して世界中から投資を呼び込めるのか。答えは「自らの唯一無二の資産に気付く」ことだ。つまり、明確な四季に梅雨を加えた多彩な季節変化と数多くの温泉が物語る地球の造作を体感できるという地理的特性に注目しそれを積極的に打ち出すことを国家戦略とするのだ。
2つの体験パターンを考えて見よう。一つ目は「同一時間・異空間」体験だ。例えば、ゴールデンウイークに来日し、北海道のニセコでスキーを楽しんだ後に沖縄に移動し、石垣島でダイビングを楽しむといった経験だ。
同様に「異時間・同一空間」体験も考えられる。五本には四季に加えて梅雨がある。実は北韓道を除く日本各地には「五季」があるのだ。この全ての季節を「定点観測」する体験は日本でしかできない。例えば、年に5回、しかも春・梅雨・夏・秋・冬にそれぞれ1週間以上滞在した外国人には無料の来日航空券を進呈するなどの特典を与えるのだ。
皆さん、予測される大地震を徒に恐れるのではなく、そういう世界でも前な自然現象を引き起こす日本列島の地理的特性に目を向けましょう。日本周辺に4つの地殻プレートが集まるだけではなく、ユーラシア大陸から引きちぎられて形成された弧状の日本列島は、地殻の隆起により険しい山々から成る日本アルプスや紀伊山地、四国山地尾根群を持ちます。東京から近い「富士箱根伊豆国立公園」も、噴火を繰り返し美しいコニーデ型の姿を誇る富士山と海底から隆起して徐々にℋク城址、遂に本州に接岸した伊豆半島から成る奇跡とも言える景観を見せているのです。
改めて我が日本列島の地理的特性を再認識し、この愛すべき国土により育まれた農林水産業がもたらす多様な恵みを再評価し、「五季」による培われた常に創意工夫を怠らない国民的気質を再構築しようではありませんか。
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